2004.02.08

月で暮らす?

 中国が有人宇宙船打ち上げるなど宇宙開発を積極的に進めているせいか、NASAも宇宙開発の方針転換図ってるようで。まあアメリカは政権によって宇宙開発方針がころころ変わるらしいから、ブッシュの気まぐれって話もあるけど(^^;)。今回の方針は、ISS(国際宇宙ステーション)はそこそこにして月を開発するんだとか。中国は間違いなく月に乗り込むと踏んで、負けてはならじと。国際協力なんて茶番やってる場合じゃない。

 でもスペースシャトルは事故を起こすし、代わりの大型ロケットはない。ISSすら満足に組み立てられない状況で、月開発なんてどうも現実離れしているような。アポロで月には行ってるんだから、同じ事するのはたやすいと世間では思われていそうだけど、技術的にも経済的にもそんなに簡単なことではないはず。まして月に有人ステーション?

 で、以前購入して読まずに積んであった本を読んでみたり。裳華房の「宇宙に暮らす」「われらの有人宇宙船」。こういう本がそこらの書店で簡単に手に入らないあたり、宇宙開発の現実は厳しいと思ったり(^^;)。でもこの本、内容量考えるとちょっと高価いかも。「われらの有人宇宙船」は特に良い本なので、ぜひ立ち読みでも。

 「宇宙に暮らす」は地球衛星軌道上のステーションから月面基地など、建築方法から人体への影響に至るまで様々な考察を行っていて、特に目新しくはないものの「あ~やっぱりそうか」と思うことしきり。当たり前のことだけど、月面基地建設はほとんど無人のロボット作業になると。人間があの窮屈な宇宙服きて土木作業やるとは思えないものねぇ。前に日記でも書いたけど、無人の宇宙開発技術が必要不可欠なことが確認出来た。

 「われらの有人宇宙船」の方は、日本の有人宇宙船計画である「ふじ」構想を紹介し、その妥当性や宇宙開発の現状をつづっている。簡単な式を使ってスペースプレーンなどの有翼宇宙船が開発困難であることを示せるのはちょっと驚き。技術的な側面だけでなく、開発組織・体制についての考察が非常に興味深く、宇宙開発の現状が垣間見える。だめだめなんだなー…。

 どちらの本を読んでもわかるのは、宇宙開発への一歩はステーション技術であるということ。宇宙観光の目玉は地球を眺めることと無重力体験であり、かなりの人が価格さえ折り合えば宇宙に行ってみたいと思っている。産業として成立すれば大幅な技術革新・コストダウンが見込まれ、その次のステップに進むのも夢ではないと。

#ちなみにラボは、ISSのような大型のものでは潮汐力のせいで無重力状態が台無しになってしまう。小さくて、できたら無人のものが望ましいというのも納得。ついでにカザフスタンの平原にはソ連時代からのロケットの残骸が山のように転がっていて環境汚染引き起こしているというのも「やっぱりそうなんだ」と納得(^^;)。いや、第1段ロケットって燃え尽きないよなあ、どこかへ落っこちてるんだよなあと常々思っていたので。

 月面基地は南極基地みたいなもので、意義は認めるけれども、現段階で果たしてコストに見合うものが得られるのかどうか。冷戦下で行われた宇宙開発競争と同じ事を、今度は中国とアメリカが繰り広げるのかなあ。まだまだ本当の意味での宇宙開発は遠い。

| | Comments (2) | TrackBack (0)