粟岳さんの記事にもあるように、NASAが表明する月面基地計画がどうもしっくりこないのでいろいろ考えてみたり。
結論から言えば、月の小さな脱出速度を利用、比推力の大きい原子力エンジン(おそらくイオンエンジン)を使用して火星以遠を目指す計画なのではないかと。
マーズ・ダイレクトは宇宙ステーションや月基地を使用しないで、火星ロケットを地球低軌道に打ち上げたら即出発する方式で、火星旅行コストが大幅に削減出来る。ただ化学燃料ロケットでは比推力が悪く、水素エンジンを採用すれば長期燃料保管が難しい為、出発時に一気に加速する必要がある。技術的なことや期間などいろんな意味で無理が多い。
マーズ・ダイレクトでも採用しているようだけど、比推力の大きな原子力エンジンを使用すれば、宇宙船の質量を抑え高出力による飛行期間の短縮に繋がる。1年ほど前にNASAは原子力エンジンの開発を表明しており、木星軌道に衛星を投入するプロメテウス計画なんてのもあるらしい。全然知らなかった(^^;
原子力エンジンのニュースはスラッシュドットで補完。開発表明した原子力エンジンの詳細が明らかではないんだけど、先のスラドの記事コメント#238122やここの記事とか見ると、どうも高温のガスを噴出する原子力エンジンではなく、原子力を動力源としたイオンエンジンなのではないかと。これはプロメテウス計画用だろうけど、数万度ともいわれるガス温度に耐える技術を開発するのは至難の業だし、有人火星ロケットのエンジンもこの技術の延長線上にあるんじゃないか。
#古い記事だけど、こんなのやこんなのもある。でもこんな先駆的な研究が実を結んでいるのか疑問。
イオンエンジンだと比推力は大きいけど、脱出速度を得る為の一時的な高推力を出すのは無理。そこで脱出速度が小さい月から出発する手法を取る、というのが月面基地建設の理由ではないかと。火星ロケットは地球で製造、いくつかのパーツに分けて化学燃料ロケットで月まで打ち上げる。で、月面や月の衛星軌道上で組み立てられたイオンエンジン搭載の宇宙船で火星を目指す。月の脱出速度は2.4km/sと地球の5分の1だし、大気もほとんどない真空空間。補助ロケットだけで振り切れるだろう。
ただイオンエンジン搭載の火星ロケットを地球低軌道で製作、補助ロケットで脱出速度を得る方法でもいいような気もするが…。完成した宇宙船の質量を考えると、月の方がより現実的なんだろうか。単純に月面基地も建設したいんだろうけど。火星ロケットを作ったら宇宙開発おしまいって事態も避けられるし(^^;
こんな風に考えると、かなり考えた計画を打ち出してきてるように思える。ぽっと出の案ではなく、長期にわたって練られているフシがあるので、期待出来るかも。出発から火星到着まで2ヵ月なんて話もあって、ずいぶん現実的。2030年代までには本当に火星に人類が降り立ってたりして。あとはお金と技術と運、なにより強い意志が必要でしょうね。
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